初めて免許を取ったころのことです。

第一話
 バイクの免許を取ったのは遅くて26歳のときです。それまでは原付にも乗ったことがなかった。学生のときからそれなりに興味はもちろんありましたよ。時々新聞などに入ってくるバイク屋の広告を半ばあこがれの目でながめたりしていました。ただ、私の時代にもバイク=不良のイメージはやっぱりあってまじめで内気な学生(で通っていた)だった私がバイクに乗るなどとても言い出せるわけもなく、そんな勇気も持ち合わせていませんでした。
 それが何がきっかけだったのか、今となってはよく思い出せないのですが突然免許を取ろうと思い立ったわけです。昭和58年ごろのことでレーサーレプリカブームが起き始め、バイクの数も今よりずっと多く昔いだいていた憧れのようなものが蘇ってきていたのかもしれません。親のすねかじりでなく、金銭的に自由になっていたことも大きな理由だったでしょう。会社の同僚にも何人も乗ってる人がいてその影響もあったと思います。
 何はともあれ教習所に通いだしました。しかし親には内緒。家では相変わらず優等生ですからとてもバイクの免許を取りに行ってるなんて言い出せなかった。だけどもこっちはもう嬉しくて嬉しくてたまらないものだから、どうかすると告白したくなってくる。それを抑えるのが大変だった。さすがに免許が取れてバイクを買いに行く前には白状しましたが。その辺の様子は実はもうあんまり覚えてないんです。親が驚いたのか、それほどでもなかったのか。案外薄々感づいていたのかもしれない。今となっては親父は天国に行ってしまったし、オフクロにもちょっと気恥ずかしくて聞けませんね。
 

第二話
教習所でのこと。お金はあったので教習所に通いました。免許は中型に挑戦。今までまったく乗ったことがないから時間がかかりました。ちょうどいいタイミングで会社の先輩の引越しに合わせて不要になった原付(スズキのたしかGA50という奴だったと思うがはっきりしません)をもらうことができ、それで一本橋の練習(普通免許は持ってますからね)なんかをやりました。いくら練習してもやっぱり中型は勝手が違い、今でも印象深く残っているのはS字コースで2回も転倒してハンドルを曲げてしまい,教官からずいぶん怒られたことです。もうこのころは乗ってるのが面白くて面白くて教習の日を心待ちにしていたもんです。そうこうしているうちに卒業、無事免許を手にすることができました。卒検の日は雪がちらついていてこれも妙に忘れがたい思い出になっています。